【生活習慣病】
数年前は『成人病』と呼ばれていました。しかし、子供の成人病が年々増加傾向にあり、これらの病気の原因が年齢だけでなく日常生活の様々な部分に潜んでいるため、『生活習慣病』と呼ばれるようになりました。
また、生活習慣病にはいろいろな症状と疾患が含まれますが、脂質異常症・糖尿病・高血圧はもちろんのこと、悪性腫瘍、脳卒中、肝臓病、腎臓病、骨粗しょう症なども生活習慣病に入ります。特に糖尿病・脂質異常症・高血圧の3つの疾患には、自覚症状がでにくいため放置される場合が多く、動脈硬化や心疾患の原因にもなります。
【糖尿病】
糖尿病の初期症状とは。。
糖尿病の初期には自覚症状は殆どありませんが、高血糖状態が長く続くと次のような症状が現れてきます。
1.のど・口の中が渇き(舌が渇く)、水分を多く取るようになる。
2.尿の回数が多くなり、量も増える。
3.空腹感が強くなる。
4.体重が急に減り、疲れやすくなる。
5.さらに糖尿病が進行すると手がしびれたり、皮膚がかゆくなったりする。
6.ものが見えにくくなる(失明する場合もある)。
7・ちょっとした傷が化膿しやすくなる。
診断の目安
1.早朝空腹時血糖値が126mg/dl以上
2.ブドウ糖負荷試験で2時間値200mg/dl以上
3.随時血糖値が200mg/dl以上
4..HbA1cが6.5%以上
1〜4のいずれかが確認された場合は「糖尿病型」と判定します。
ただし、次の1)〜3)のいずれかの場合は、1回の検査が「糖尿病型」であれば糖尿病と診断してよい。
1) 口渇、多飲、多尿、体重減少など、糖尿病の典型的な症状がある場合
2) 血糖値とHbA1cを同時測定し、ともに糖尿病型である場合
3) 確実な糖尿病網膜症が認められた場合
糖尿病の合併症 糖尿病の恐ろしさは合併症にあると言われています。放置しておくと失明する場合もあれば死期を早めることもあります。合併症で代表的なものに神経障害・網膜症・腎症があり、3大合併症と言われています。それ以外にも脳梗塞・狭心症・心筋梗塞・糖尿病性壊疸・感染症などもあります。
【高血圧】 高血圧とは。。
最高血圧(収縮期血圧):140mmHg以上、最低血圧(拡張期血圧):90mmHg以上のどちらかがこの値以上であれば『高血圧症』と診断されます。因みに最高血圧130mmHg以上、最低血圧85mmHg以上は、正常高値となります。
高血圧の原因は。。
日ごろの生活習慣や遺伝などによる体質、他の疾患など、様々な要因が複雑にからみ合って発症するといわれています。
高血圧の自覚症状は。。
頭痛やめまい、耳鳴りなどが現れることがありますが、殆どの場合自覚症状は現れません。しかし、自覚症状がないからといって気づかずに治療せず放置しておくと、知らないうちに心臓や血管に大きな負担がかかり、やがて心臓病や脳卒中、腎臓病などの命にかかわる病気を引き起こす原因になります。
高血圧の治療は。。
基本的には他の生活習慣病と同じく減量、減塩、節酒、禁煙、有酸素運動が効果的です。
改善しなければ、薬物治療が必要な場合があります。
【高脂血症】
高脂血症とは。。
血液中に、脂肪分が異常に多い状態のことです。ここでいう脂肪分とは、コレステロールとトリグリセライド(中性脂肪)です。どちらも生きていくのに必要な成分ですが、これらが増えすぎると体のバランスが崩れてしまい、動脈硬化などを進行する原因になります。また、自覚症状がなくても、気づかないうちにどんどん健康を害していくところが、高脂血症の恐ろしいところです。つまり、血液検査をすれば異常が見られるだけで何の不自由も感じず、自覚症状もありませんが、高脂血症が長く続くと動脈硬化が進行して血管が狭くなったり、プラークが破裂して血管の中で血の塊が出来てしまったりして、ある日突然心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気を引き起こすこともあります。
循環器科では、高血圧、虚血性心疾患(陳旧性心筋梗塞や狭心症)、心臓弁膜症、慢性心房細動などの不整脈、脂質異常症(高脂血症)などの診察、治療を行います。
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